○弘前地区消防事務組合違反処理規程

平成28年4月27日

訓令第10号

目次

第1章 総則(第1条)

第2章 違反処理

第1節 通則(第2条―第6条)

第2節 警告(第7条―第10条)

第3節 聴聞及び弁明の機会の付与(第11条・第12条)

第4節 命令(第13条―第17条)

第5節 許可等の取消し(第18条・第18条の2)

第6節 告発等(第19条―第20条)

第7節 代執行及び略式の代執行(第21条―第21条の3)

第3章 補則(第22条―第24条)

附則

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)及び弘前地区消防事務組合火災予防条例(昭和56年弘前地区消防事務組合条例第1号。以下「条例」という。)に定める火災の予防及び公共の安全維持に関する違反(以下「違反」という。)の処理について必要な事項を定めるものとする。

第2章 違反処理

第1節 通則

(用語の意義)

第2条 この規程における用語の意義は、法及び条例並びに弘前地区消防事務組合査察規程(平成28年弘前地区消防事務組合訓令第12号)の例によるほか、次のとおりとする。

(1) 違反処理 警告、命令、許可の取消し、認定の取消し、承認の取消し、告発、代執行その他の方法により違反の是正を図るための行政上の措置をいう。

(2) 重大違反対象物 防火対象物のうち、火災が発生したならば、人命に危険であると認める違反の存するもの又は消防用設備等、特殊消防用設備等、避難施設若しくは防火設備に重大な不備欠陥の存するもので、別に定めるものをいう。

(3) 本部違反処理強化対象物 重大違反対象物のうち、特に違反が重大なもので、別に定める基準により消防長が査察及び違反処理を実施するものをいう。

(4) 署違反処理強化対象物 重大違反対象物のうち、特に違反が重大なもので、別に定める基準により署長が査察及び違反処理を実施するものをいう。

(5) 査察員 査察及び違反処理の業務に従事する消防職員をいう。

(6) 危険物製造所等 法第11条第1項の許可を受けた製造所、貯蔵所又は取扱所をいう。

(7) 警告 関係者等に違反の是正を促す意思表示をいう。

(8) 命令 法の規定により、強制的に関係者等に違反の是正を促す意思表示をいう。

(9) 許可の取消し 法第12条の2第1項に規定により、危険物製造所等の許可の効力を将来に向かって失わせる意思表示をいう。

(10) 認定の取消し 法第8条の2の3第6項(法第36条第1項において準用する場合を含む。)の規定により、同条第1項(法第36条第1項において準用する場合を含む。)の規定による特例認定の効力を消滅させる意思表示をいう。

(11) 告発 刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第239条第2項の規定により、違反事実を捜査機関に申告し、違反者の訴追を求める意思表示をいう。

(12) 過料事件の通知 法第46条の5の規定により、法第8条の2の3第5項(法第36条第1項において準用する場合を含む。)の規定による届出を怠った者を過料に処せられる者として管轄地方裁判所に通知することをいう。

(13) 代執行 命令による代替的作為義務(他人が代わってなすことのできる行為を内容とする義務)の履行のない者に、行政代執行法(昭和23年法律第43号)第2条の規定により義務者の履行すべき行為を命令者自らが行い、又は第三者に行わせ、当該行為に係る費用を義務者から徴収することをいう。

(14) 略式の代執行 法第3条第2項又は法第5条の3第2項の規定により、法第3条第1項第3号又は第4号(法第5条の3第2項において準用する場合を含む。)に掲げる措置を実施することをいう。

(15) 催告 命令違反者に対し、当該命令事項の履行を督促する意思表示をいう。

(16) 履行期限 警告事項、命令事項又は代執行の戒告事項の履行に必要な合理的期限として措置権者が定めたものをいう。

(違反処理の区分及び主体)

第3条 違反処理の区分及び主体は、次の表のとおりとする。

区分

主体

1 警告

消防長、署長

2 命令

消防長、署長、その他の消防吏員

3 許可及び認定の取消し

消防長

4 告発

消防長

5 過料事件の通知

消防長、署長

6 代執行

消防長、署長

7 略式の代執行(法第3条第2項又は法第5条の3第2項の措置)

消防長、署長

(違反処理の基本的留意事項)

第4条 違反処理は、次の各号に掲げる事項に留意し、行うものとする。

(1) 違反処理は、違反の内容又は火災及び公共の安全維持に対する危険性に着目し、時機を失することなく厳正公平に行うこと。

(2) 違反処理を行う場合は、緊急の場合を除き、あらかじめ関係者等に違反の内容を具体的に説明し、適切な指導を行うこと。

(3) 違反処理を行った事案については、適宜、改善状況の調査を行い、関係者等に違反の是正を行うよう指導すること。

(違反処理基準)

第5条 違反処理は、別に定める違反処理基準(以下「処理基準」という。)により行うものとする。

2 消防長又は消防署長(以下「消防長又は署長」という。)は、違反内容が処理基準に該当する場合は、当該基準に示す措置をとらなければならない。

3 前項の規定にかかわらず、違反の事実が明白で、かつ、火災予防及び公共の安全維持上、人命安全上猶予できないと認める場合又は特異の違反事案の処理に係る場合は処理基準によらないことができる。

また、処理基準に従って違反処理することが、行政上適切でない合理的理由が存すると認められる場合は、措置を留保することができる。

(違反の調査等)

第6条 消防職員は、処理基準の違反事項に該当すると思われる違反を発見し、又は聞知した場合は、速やかに消防長又は管轄する署長に報告し、又は連絡しなければならない。

2 前項の報告又は連絡を受けた消防長又は管轄する署長は、査察員に命じて速やかに違反の調査を行わなければならない。

3 前項により違反の調査を命じられた査察員は、消防長又は管轄する署長に別に定めるところにより調査結果を報告しなければならない。

4 査察員は、第1項の違反が是正された場合は、別に定めるところにより報告するものとする。

第2節 警告

(警告)

第7条 消防長又は署長は、違反事案について関係者の具体的な是正意思が認められない場合で処理基準に該当するときは警告を行うものとする。

2 消防長又は署長は、前項に該当しない場合であっても、違反の是正のために必要と認めるときは警告を行うことができる。

3 前2項の警告は、関係者等に警告書(様式第1号第1号の2又は第1号の3)を交付することにより行うものとする。

4 消防長又は署長は、違反等の事実が明白で警告書を発行するいとまがないときは、口頭で必要な事項について警告することができる。この場合、事後速やかに警告書を発行するものとする。

(警告書の送達)

第8条 警告書を送達する場合は、関係者等に直接交付し、受領書(様式第2号)に受領者の署名及び押印を求めるものとする。

2 警告書の交付に際し、受領を拒否された場合その他特別の事由がある場合は、配達証明又は内容証明の取扱いにより郵送するものとする。この場合において、郵送する警告書は、必要に応じて書式を変更することができるものとする。

(履行状況の確認)

第9条 消防長又は署長は、警告を行った場合は、関係者等から必要に応じて違反の是正に関する改修(計画)報告書等を提出させるものとする。

2 消防長又は署長は、査察員に警告に対する履行状況を確認する調査を行わせるものとする。

3 前項の調査を行った査察員は、調査結果を消防長又は署長に報告するとともに、別に定めるところにより記録しておくものとする。

(上位措置への移行)

第10条 消防長又は署長は、前条に規定する調査の結果、警告事項が履行されていない場合若しくは火災予防等の観点から必要があると認める場合又は火災等が発生したならば人命に危険であると認める場合若しくは消火、避難その他の消防の活動に支障になると認める場合は、基準に基づき上位措置へ移行するものとする。ただし、上位措置へ移行することが行政上適切でない合理的理由が存すると認められる場合は、措置を留保することができる。

第3節 聴聞及び弁明の機会の付与

(聴聞の機会の付与)

第11条 次の各号に掲げる処理をしようとする場合は、行政手続法(平成5年法律第88号)の定めるところにより、聴聞を行わなければならない。

(1) 法第8条の2の3第6項(第36条第1項において準用する場合を含む。)の規定に基づく認定の取消し

(2) 法第12条の2第1項の規定に基づく許可の取消し

(3) 法第13条の24の規定に基づく命令

(弁明の機会の付与)

第12条 次の各号に掲げる処理をしようとする場合には、行政手続法の定めるところにより、弁明の機会を付与しなければならない。ただし、緊急に命令をなす必要がある等、事前に意見を聴くことができない場合又は意見を聴く必要が火災予防上ない場合は、弁明の機会の付与はしないことができる。

(1) 法第5条第1項の規定に基づく命令

(2) 法第5条の2第1項の規定に基づく命令

(3) 法第8条第4項(第36条第1項において準用する場合を含む。)の規定に基づく命令

(4) 法第12条の2第1項及び第2項の規定に基づく使用停止命令

(5) 法第14条の2第3項の規定に基づく命令

第4節 命令

(命令)

第13条 命令は、次のいずれかに該当する場合に行うものとする。

(1) 第7条第1項及び第2項の警告を行ってもなお違反が是正されない場合

(2) 違反事案に係る重大な出火危険若しくは延焼拡大危険が存する場合又は火災等に係る人命危険が存する場合若しくは消火、避難その他の消防の活動に支障になると認める場合において、緊急に措置を講ずる必要があると認める場合

2 前項の命令は、第13条の2第1項及び第3項に掲げる場合を除き、関係者等に命令書(様式第3号様式第3号の2様式第3号の2の2又は様式第3号の3)を交付することにより、行うものとする。

(緊急時の命令)

第13条の2 消防長又は署長は、違反事案が火災予防等の観点から猶予できないと認める場合、火災等が発生したならば人命安全上猶予できないと認める場合又は消火、避難その他の消防の活動上猶予できないと認める場合で、緊急に必要な措置をとらなければならないときは、関係者等に必要な事項を口頭により命令することができる。

2 消防長又は署長は、前項の命令を行った場合は、必要に応じて事後に命令書を交付するものとする。

3 消防長又は署長以外の消防吏員は、法第3条第1項及び第5条の3第1項に規定する違反を発見した場合は、物件の所有者、管理者又は占有者で権原を有する者(法第5条の3第1項において特に緊急の必要があると認める場合は、物件の所有者、管理者若しくは占有者又は防火対象物の関係者。以下「物件の所有者等」という。)に必要な事項を口頭により命令することができる。

4 前項の命令を行った消防吏員は、消防長又は署長にその違反内容、措置結果等を報告するとともに、必要に応じて当該命令の内容を物件の所有者等に通知するものとする。

(命令の公示)

第14条 消防長又は署長は、法の規定に基づく命令を行った場合は、次項に定める標識の設置及び弘前地区消防事務組合掲示場への掲示並びにインターネットを利用する方法の公示を行うものとする。ただし、命令を行う際の状況により、その一部を省略することができる。

2 消防長又は署長が法第5条第3項(法第5条の2第2項、法第5条の3第5項、法第8条第5条(法第36条第1項において準用する場合を含む。)、法第8条の2第7項(法第36条第1項において準用する場合を含む。)、法第8条の2の5第4項又は法第17条の第3項において準用する場合を含む。)の規定により設置する標識は、消防法による命令の公告(様式第3号の3の2)によるものとする。

3 消防長が法第11条の5第4項(法第12条第3項、法第12条の2第3項、法第13条の24第2項及び法第16条の6第2項において準用する場合を含む。)の規定により設置する標識は、消防法による命令の公告(様式第3号の3の3)によるものとする。

4 消防長又は署長が法第12条の3第2項の規定により設置する標識は、消防法による命令の公告(様式第3号の3の4)によるものとする。

5 消防長又は署長が法第16条の3第6項の規定により設置する標識は、消防法による命令の公告(様式第3号の3の5)によるものとする。

(命令の事前報告)

第15条 署長は、命令を行うもののうち、法第5条、法第5条の2及び法第17条の4に係る命令を行う場合は、事前に消防長に報告するものとする。

(催告)

第16条 消防長又は署長は、命令を行ったもののうち、履行期限を経過しても是正されない場合において、必要と認めるときは、催告書(様式第4号)を交付し、履行の促進を図るものとする。

(命令の解除)

第17条 消防長又は署長は、命令を解除する必要があると認める場合は、速やかに、命令解除通知書(様式第5号)を交付し、命令を解除するものとする。

第5節 許可等の取消し

(許可の取消し)

第18条 許可の取消しは、次のいずれかに該当する場合に、許可取消書(様式第6号)を交付することにより行うものとする。

(1) 法第12条の2第1項の規定による使用停止命令に違反した場合

(2) 前号の使用停止命令に従った場合でも、使用停止を命じられるに至った違反が是正されない場合

(3) 前2号に該当しない場合で、違反内容が許可の取消しを行うことが必要であると認める場合

(認定の取消し)

第18条の2 認定の取消しは、特例認定取消書(様式第7号)を交付することにより行うものとする。

第6節 告発等

(告発)

第19条 告発は、次のいずれかに該当するもので、消防長が必要と認める場合に行うものとする。

(1) 違反内容が重大で、かつ、出火危険、延焼拡大危険、火災等に係る人命危険その他の公共危険が著しく大きいと認める場合

(2) 違反に起因して火災等が発生し、若しくは拡大し、又は人身事故が発生した場合

(3) その他告発をもって措置すべき必要があると認める場合

2 前項の告発は、違反の生じた場所を管轄する捜査機関に対し、告発書(様式第8号)に関係資料を添えて行うものとする。

(告発の事前協議)

第19条の2 告発基準の違反事項に該当する違反があった場合は、事前に予防課と協議し、その結果を消防長に報告するものとする。

(過料事件の通知)

第20条 消防長又は署長は、過料事件の通知が必要と認める場合は、届出を怠った者の住所地を管轄する地方裁判所に対し、過料事件通知書(様式第9号)に関係資料を添えて、通知するものとする。

2 署長は、過料事件の通知を行う場合は過料事件通知書の写しに関係資料を添えて、事前に消防長に報告するものとする。

第7節 代執行及び略式の代執行

(代執行)

第21条 代執行は、次のいずれかに該当する場合において、その他の方法によってはその履行を確保することが困難であり、かつ、その不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときに行うものとする。

(1) 命令した事項を履行しないとき

(2) 命令した事項を履行しても十分でないとき

(3) 命令した事項に履行期限が附されている場合において、履行しても当該期限までに完了する見込みがないとき

2 前項の規定により代執行を行う場合は、事前に執行に伴う作業、警戒等を計画し、経費を見積るものとする。

3 代執行の戒告、通知及び費用徴収のための文書並びに執行責任者の証票は、次によるものとする。

(1) 戒告書(様式第10号)

(2) 代執行令書(様式第11号)

(3) 代執行費用納付命令書(様式第12号)

(4) 代執行執行責任者証(様式第13号)

(物件の除去等に係る事前公告)

第21条の2 消防長又は署長が、法第5条の3第2項の規定により行う公告は、消防法による物件の除去等の公告(様式第13号の2)によるものとする。

(略式の代執行)

第21条の3 消防長又は署長は、法第3条第1項又は法第5条の3第1項の規定による命令に係る履行義務者を確知することができないために当該命令を行うことができない場合は、必要に応じ、略式の代執行を行うものとする。

2 署長は、略式の代執行を行う場合は、あらかじめ消防長と協議しなければならない。

3 消防長又は署長は、法第5条の3第2項の規定により略式の代執行を行う場合は、前条の公告を行った後に行うものとする。ただし、緊急の必要があると認めるときは、この限りでない。

4 消防長又は署長は、略式の代執行により物件を除去させた場合は、当該物件の状態を考慮して、別に定めるところにより措置を決定するものとする。

第3章 補則

(関係機関との連携)

第22条 消防長又は署長は、立入検査において指摘した他法令の防火に関する規定の違反については、主管行政庁に通知し、是正促進を要請するとともに、十分な連絡を図り、その改善指導に努めるものとする。

2 消防長又は署長は、他法令違反が存する対象物の違反是正措置を講じる場合には、関係機関と十分な情報提供及び連絡調整を行うとともに、自ら違反事実の把握に努め、ほかに手段がない場合に、他の関係官公署の事務に支障がないように配慮しつつ、法第35条の13の規定に基づく照会を行うなど、適切な措置を講じるよう相互の連携に努めるものとする。

3 危険物取扱者又は消防設備士等の資格者にかかる違反処理を行ったときは、危険物取扱者免状及び消防設備士免状の返納命令に関する事務処理要綱(平成4年消防長決裁)により関係行政機関に通知するものとする。

4 消防長又は署長は、違反処理につき関係機関から協力を求められたときは、火災予防又は警戒に関する事項について必要な協力を行うものとする。

(違反処理状況の管理等)

第23条 消防長又は署長は、違反の発生から是正に至るまでの違反処理経過を記録し、適正に管理するものとする。

(実施細目)

第24条 この規程に定めるもののほか、この規程の実施に必要な事項は別に定めるものとする。

この訓令は、平成28年5月1日から施行する。

(平成29年12月13日訓令第19号)

この訓令は、平成30年1月1日から施行する。

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弘前地区消防事務組合違反処理規程

平成28年4月27日 訓令第10号

(平成30年1月1日施行)

体系情報
第8類
沿革情報
平成28年4月27日 訓令第10号
平成29年12月13日 訓令第19号